プロツアーチームDSMには、メインスポンサーDSM社製品であるダイニーマ®繊維を使ったサイクルウェアが提供されています。サイクルジャージだけでなく、ビブショーツとアンダーウェアにもダイニーマ®が使われているとのこと。

Royal DSM日本法人、DSM株式会社の代表取締役社長 丸山 和則さまと、ダイニーマ® 事業開発シニアマネジャーの鳥野見 雅志さまのインタビューです。

チームDSMといえば、「落車でも破れなかったあのウェアのチーム!」とご存知の方が多いはず。メインスポンサーのDSM社が何をチームに提供しているのか、DSM社の作る世界最強の繊維ダイニーマ®とはどういうものなのかを、わかりやすく丁寧に教えてくださいました。

自転車競技が大好きな方だけでなく、最新のテクノロジーがどうやって私たちの日常生活を便利に快適にするのかが面白く読める内容となっています。

シリーズ3回の連載の最終回です。


  目次


 Vol.3

・チームDSMへの提案は将来の営業の姿

ダイニーマ®におけるサスティナビリティとの両立

・最先端の技術をわたしたちの生活に

 


 

vol.1ダイニーマ®とは?DSM社について

vol.2 ダイニーマ®を使ったサイクルウェアの話<<.

 

■Q7. チームDSMには単なる商品の供給ではなく、選手の状態に応じて必要なサプリメントなどを提供されていると伺いました。詳しく教えてください。

私たちはチームDSMのメインスポンサーでありますので、ダイニーマ®だけでなくスポーツニュートリションで私たちがもっている能力でチームに貢献していくことを目指しています。

スポーツというのはかなり極端な条件でおこなわれます。サプリメントというと普通であればドラッグストアでビタミンのタブレットを購入して飲むというイメージかと思いますが、プロ選手の場合はひとりひとりのコンディションを見て栄養士がそれぞれの選手にあうものを選び摂取してもらう、栄養の世界での未来の話=パーソナライズドニュートリション(個別化栄養)と言いますが、それがすでに行われています。

 

 

その人の栄養状態を見て「あなたにはこれが必要ですよ」と提示するのが未来の栄養改善の手法と言われているのですが、その先取りの姿がチームでは行われています。

「あなたは今この栄養を取りましょう」「レース前なのでこの栄養に変えましょう」「故障明けだからこの栄養を取りましょう」というように選手と一緒に一所懸命やることで、私たちも企業としてノウハウを貯めることができるのです。

チームDSMは若くこれから成長していくチームです。DSM社のモットー『keep challenging』常に挑戦し続ける姿勢も同じです。どんどん新しい技術やノウハウを取り入れて一緒に進化していこうというイメージが一致していると思います。しかし、オランダ人は本当に自転車が好きですね。

 

■Q8. 丸山さまご自身は自転車を楽しんでらっしゃいますか? 

私自身は休日に子供と自転車に乗る程度なのですが、弊社のオランダ人CEOは競技を前提に自転車(ロードレース)をやっています。非常にやせていてストイックに自転車に取り組んでいます。

最先端のスポーツで自分たちの技術を磨くことに理解がありますので、今回のチームDSMのスポンサードにもつながっていると思います。


■東京オリンピックではオランダ勢が活躍されたのでCEOも喜ばれたのではないでしょうか?

そうですね、とても喜んでいました。また、チームDSMのメンバーも各国代表として出場してメダルを獲った選手もいました。選手達はオリンピック期間中は普段と違う日本のコースで走って、とても楽しそうに見えました。

鳥野見さま>> 

富士スピードウェイを世界のトップ選手たちが走っていたのは感動でした。

 ■同感です。東京オリンピックは通常とは異なる形式になってしまったとおもいますので、あの光景がもう一度日本でみられる日が来てほしいと願っています。

鳥野見さま>> 

もう一つ、DSMの一部門としてパーソナルケア事業が日焼け止め成分もチームDSMに提供しています。

丸山さま>> 

スポーツをするとすぐ汗をかいてしまい日焼け止めが流れてしまうのが、サイクリストの皆さんの悩みかと思います。特に女性の方は塗り直しが大変だとききます。

そういったことをふまえた上で、スポーツする時に必要な特定の成分を開発してチームDSMにすでに供給しています。ヨーロッパでは皮膚がんのリスクもあり日焼けにはセンシティブですが、とはいえ太陽を浴びるのが大好きです。冬は太陽が当たらないので、夏の間に一年分を浴びるくらいの気持ちで日光浴を楽しんでいます。


■Q9. サスティナビリティとの両立について、ダイニーマ®を回収して新たなダイニーマを再生する仕組みに取り組んでいるそうですね?

ダイニーマ®のサスティナビリティについては2点あります。

ひとつは原料です。石油から作るのではなく植物由来の油から作ろうという試みです。植物は成長過程で二酸化炭素を吸収しますので、ライフサイクルとしてみた時に発生する二酸化炭素の量が減ります。

ふたつめは回収です。2021年からサーキュラリチーム(CerculariTeam®)を作りました。リサイクルで大変なのは回収し、分別し、リサイクルすること。かなり大変な工程のため、弊社だけでおこなうことも到底できません。そこで、お客様や産業廃棄物の回収業者の方々などとチームを組んでやってみようと、まずはダイニーマ®のチームでヨーロッパで10社ほどが参加してチームで取り組んで始まっています。

 

画像:DSM株式会社WEBページより

網とロープ、防弾チョッキ、繊維・衣料、それぞれ使った後の回収方法はどうするか、回収後どうリサイクルするか、分別しやすいデザインとは何だろうか?などなど、規制(返却しなければならない仕組み)をつくり業界を啓蒙して行動の変化に影響を与えることができればと考えています。

このあたりの考え方はやはりヨーロッパの企業だなと思います。サスティナビリティにきちんと取り組まないと将来企業として立ち行かなくなることをよく理解していますので、実行に移していきます。


■Q10. プロやトップ選手へ提供している技術はいずれ私たちの生活へと適用されていきます、サイクルウェアも同じです。最先端の技術がどのように応用されていくのでしょうか?

デジタルでのアプローチになると思います。最先端の物をいかにわたしたちの生活に持ってこられるかが課題です。

いずれはデータをAI処理し、ビタミンを混ぜたドリンクを作って朝一杯飲めば栄養が補えるようになります。

DSMでは、ベンチャー会社と提携したりしてばらばらになっているサービスを統合して、パーソナライズドニュートリションを提供する会社をアメリカで立ち上げたところです。サプリの先進国アメリカで実用化まで持っていこうと計画しているのが現状ですが、いずれアメリカ以外の国でも実用化されることでしょう。

※ダイニーマ(R) は、Royal DSM社の商標です。Royal DSM社の正式な許可なく商標を使用することは禁じられています。

 


 

DSM社の作る世界最強の繊維ダイニーマ®のお話だけでなく、最新のテクノロジーがどうやって私たちの日常生活を便利に快適にするのかを分かりやすく教えていただき、とても面白く読んでいただけたと思います。

 お忙しい中お時間をいただいた丸山さま、鳥野見さま、ありがとうございました。


 

ダイニーマ®はオーダーサイクルジャージのEPICラインで継続が決まっています。(商品は今後公開予定ですのでお待ちください)

 

オーダーサイクルジャージのアイテムを見るにはこちら

 

 


 

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1月 01, 2022