【BioracerFamily】梶原悠未選手インタビュー[Vol.2]
BIORACER_Japanでは、海外の舞台にチャレンジしているアスリートをサポートしています。2月末のドイツでの世界選手権でついにチャンピオンとなった梶原悠未選手(筑波大学)に、次の目標である東京オリンピック、大学院への進学との両立などについて伺ったロングインタビュー、全3回の2回目をお届けします。
2. オリンピックに向けて
Q8. オリンピックに向けて、成長の歩幅をどれだけ進められるかが課題とのことですが、オリンピックが延期されたとはいえ残りの期間は限られています。具体的に何に取り組んでいますか?
戦術の研究ももちろんですし、フィジカルもこの1年でさらに強くすることができると思います。今はまずベースの底上げとして持久力の強化を徹底的に行っています。
3. オリンピックの延期について
Q9. 現在は次のスケジュールが未定の状況かと思いますが、代表はいつ決まるのか。今わかる範囲で簡単にスケジュールを教えてください。
現段階では、次のスケジュールも含め全て未定です。刻一刻と状況が変化するため、決まり次第ご連絡させていただきます。今は日本代表の強化合宿先の伊豆に滞在していますが、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため外出を自粛し、自宅で出来るメニューを考えて取り組んでいます。
また、進学した大学院も当初は4月初旬から授業が始まる予定でしたが、4月下旬まで延期になりました。さらには1学期は授業がオンラインで行われることになりましたので、日本代表の合宿に参加しながら、大学院の授業をオンライン受講して両立していきます。
Q10. うかがう限り非常に前向きな姿勢ですが、モチベーションはどのように維持していますか?モチベーションを継続して保つ(気持ちを奮い立たせる)秘訣のようなものはありますか?
延期が示唆され始めた時期は戸惑いや不安もありました。しかし、延期が決定してからは『1年間強くなるための強化する時間ができた』と気持ちを切り替えることができました。世界選手権で優勝したことで、東京オリンピックの優勝候補と言っていただけるようになりました。1年後にはさらに強くなって、来年の今頃はオリンピックの優勝筆頭候補選手と言ってもらえるように頑張ります。
4. 学業との両立について
Q11. この春筑波大学を卒業されました。卒業式では学長表彰と学群長表彰も受けたそうですね、おめでとうございます。大学で専攻していたこと、卒論のテーマについて教えてください。
筑波大学では、体育専門学群に所属し、体育測定評価学研究室で戦術技能について統計学を用いて研究していました。卒論のテーマは『自転車競技のエルミネーションレースにおける戦術技能の達成度評価基準』です。
オムニアムの第3種目めであるエルミネーションレースは、2周に一度最後尾の選手が離脱するサバイバルレースです。エルミネーションレースには必要な技術、勝ち残る効率的な戦術があります。常に先頭を走り続けることや後方でスプリントを繰り返すことは体力を激しく消耗します。常に集団の前方の風下に位置を取ることが重要です。しかし、この前方で位置を取り続けることがとても難しいのです。そこで必要となる技術や戦術を誰もが身につけられるようになるための教科書を作成しました。
-教科書を作ろうと思ったのは、自分のためだけでしょうか?自転車競技の今後まで考えているように聞こえます。
どちらもです。自分が苦手な種目でもあったので、昨年まではワールドカップでも6位、8位と、いつもエルミネーションレースで順位を落とすことが多かったです。しかし、今シーズンは卒業研究として取り組んだことでワールドカップや世界選手権でも常に3位以内をおさめることができるようになりました。自分の苦手克服でもありますが、トップ選手がもっているノウハウや戦術をジュニアの選手たちに伝えていくために、評価基準として必要な材料になれば良いなと考えました。
日本でオムニアムレースを走れる機会はとても少ない。基準表があることによって、コーチや選手自身で、1回でも走った貴重なレースの経験を元に、良かった駄目だった怖かったという感想だけで終わらせるのではなく、課題を洗い出し次に活かすことができます。私が教えることができる人数にも限界があります。でも、論文が一つあればだれでも指導や実践できるようになります。これが日本で自転車競技をメジャースポーツにするために、必要なものの1つでもあると思います。
-自分のためだけに秘めておきたいと思う選手もいるかもしれませんが、それを他の選手のために使うと決めているところに、梶原選手が見据えているものはとても大きいなと感じます。
自転車競技を始めて東京オリンピックでの金メダル獲得を目標に掲げたときに、自転車競技を日本でメジャースポーツにすることが自分の使命でもあると感じました。金メダルを取って認知してもらうだけではなく、日本の競技レベルを世界のトップに引き上げることもメジャースポーツになることに必須だと思っています。
>>vol.3に続く
インタビュー Vol1はこちら
https://cyclingwear.jp/2020/04/25/support_kajihara_2020/
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